初めての海外出張も通訳がいれば安心!?
その年の夏にアメリカへ出張に行くことになりました。実は初めての海外出張でしたが、その時もそのアメリカ在住の日本人コーディネーターさんが同行することになっていたので、通訳もその方に頼めるから大丈夫とすっかり安心していました。 その時の海外出張はテキサスで行われるミュージックカンファレンスに出席し、いくつかのレーベルやバンドマネージャーと契約についてのミーティングをすることがメインの仕事でした。コーディネーターの方がすべて段取りも通訳もやってくださったので、まったく問題なくスムーズに進みました。 2日目の夜、取引先レーベル主催のパーティーが、カンファレンス会場近くのレストランでありました。立食でDJも入ったかなりラフな感じのパーティーです。私はコーディネーターの女性と一緒に参加することになりました。私はパーティーでも当然、彼女が私と他のみなさんの橋渡しをしてくれるものと思っていました。だって私が英語ができないのを、彼女は分かっているのですから。アメリカは自己責任!人任せでは痛い目に・・・
ところが、人生の半分以上をアメリカで生活している彼女は、日本人というよりほとんどアメリカ人になっていたようです。オフィシャルの仕事ではないそのパーティーでは、私を完全に置き去りにして自分ひとりでどんどんその場にいるアメリカ人やヨーロッパ人の輪の中へ入っていき、お酒をガンガン飲んで思う存分パーティーを楽しんでいます。私のことなんてもう彼女の頭にはないようでした。 最初のうちは、取引先のレーベルの人たち数人が私に話しかけてくれましたが、私一人では全く会話が成り立たないので、結局すぐに皆去っていきました。かと言って言葉の通じない人の輪へ自分から入っていく勇気はありません。私は独りレストランの端で、じっと時間が過ぎるのを待ちました。この時ほど強烈な疎外感を感じたことはありません。こんなに人は大勢なのに、もはや誰も私に話しかけてもこないのです・・・。私はパーティーを楽しむどころか、孤独でとても長く辛い時間を過ごしました。英語ができない恥ずかしさを初めて自覚
パーティーの後しばらくは、私を置き去りにしたコーディネーターの彼女を恨みました。でも気持ちが落ち着くにつれて、海外の仕事をしてるのに今まで英語を習得しようとせず、言葉について全部人任せだった自分が悪いのだという自己嫌悪に陥りました。わざわざアメリカまで来ているのに英会話ができないなんて恥ずかしすぎると、初めて自覚したのです。 あまりに恥ずかしい思いをしたので、正直もう海外アーティストの担当を外れたいと思ったこともありました。しかし元来負けず嫌いなところがある私は、帰国後すぐに英会話スクールへ通い、今では日常会話くらいは(下手ですが)なんとかできるようになりました。あのパーティーでの体験がなければ、自分から英会話を習おうとは思わなかったはずです。今思い返せばいい体験ができたのだなと、あの時のコーディネーターの彼女には感謝しています。イングリッシュ王子
海外出張で困るのは、じつは誰も助けてくれないオフの時です!トラベル英会話は予習しておくと安心ですね。
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